日々の戯言

野口幸作先生は宝塚で何を目指しているのか?



おはようございます。

む〜です。

先日、久しぶりに星組の「The Entertainer」のDVDを観ました。

相変わらず画面の中のみちふうは素敵で「やっぱり私みちふう大好き」と心の底から思いました。

そして、この作品は野口先生の大劇場デビュー作。

なのですが、、「The Entertainer」が野口ショーの中で一番品があって宝塚らしさを生かしたショーだったと思うのは私だけでしょうか?

私の意見は少数派かもしれません。

「こう感じている人もいるんだな〜」くらいの気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

 

”スペクタキュラー”シリーズに思うこと

初めて野口先生のショー(「The Entertainer」)を劇場で見た時、

「新しいのにどこか懐かしい。これぞ今の宝塚に必要なショーだ」と心から思いました。

華やかでキラキラ。若手の見せ場などで新しいことに挑戦しつつも、宝塚の古典的な美しさもしっかりと盛り込んでいるショー。

その組のトップさんの良さや組カラーを組み込んでるしっかり作りこまれていて、

野口先生のショーは今後全部観に行こうと、楽しみにしていました。

その気持ちは今でも変わらず、彼のショーには「毎公演見に行きたい!」と思わせるような中毒性があるのも認めます。

ただね、雪組のSVも観に行って、花組の美庭を見て、宝塚ニュースやネットニュースで写真がアップされていた宙組のデリシューを見ていて思うのです。

彼は本当に宝塚を愛しているのだろうか?

彼の考える「宝塚にしかない美しさ」ってなんなんだろう?

彼の考える「男役のかっこよさ」ってなんなんだろう?

彼の考えを真っ向から否定する訳ではないけれど、SVの「暴風雪(ブリザード)」の場面あたりから彼の創りたいショーと私が宝塚に求めているショーの群像が乖離して来ているのを感じています。

野口先生はこう言っていた

ここで野口先生のインタビューを振り返りたいと思う。

1.2016年星組「THE ENTERTAINER!」

いまの宝塚歌劇のショーは、その原型ともいえるレビューである1927年の『モン・パリ』に始まり、さまざまな演出家が、古今東西の作品を研究し工夫してきた積み重ねのエンターテインメントです。そうしてお客様に楽しんでいただいてきた伝統を守りつつ、定石に従う部分、定石を外す部分を選択して、自分なりのショーをつくっていきたいです。   

引用:星組公演 『こうもり』『THE ENTERTAINER!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

2.2018年雪組「SUPER VOYAGER!」

私自身のモットーとして、“清く 正しく 美しく”にならい、“少し新しく どこか懐かしく かなり感動する”ということを掲げています。
タカラヅカ・レヴューは今年90周年を迎えました。これだけ多くの出演者が登場するレヴューは、ラスベガスやパリにもありません。このスペクタキュラーな部分はやはり創作のうえで大切にしたいですね。また、偉大な先人たちが大階段や銀橋、ラインダンスや羽根など、レヴューの要素を大変な努力の中から編み出されてきました。私たちはさらにそれを超えるアイデアを考えるべきですし、伝統を大切にしつつ、今のお客様に楽しんでいただけるものへとアレンジすることも必要だと思っています。   

引用:『SUPER VOYAGER!』の魅力 | 雪組公演 『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』『SUPER VOYAGER!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

3.2018年花組「BEAUTYFUL GARDEN〜百花繚乱〜」

このシリーズのモットーである“少し新しく どこか懐かしく かなり感動する”はそのままに、基本に忠実でありながらもビジュアルやサウンドを現代的にアレンジし、スターの個性を各場面に散りばめ、全体を通して宝塚歌劇の魅力を感じていただける作品を目指しております。スタッフや出演者と共につくり上げるこの“スペクタキュラー・シリーズ”は、これからも続けていきたいと思っています。   

引用:演出家 野口幸作が語る | 花組公演 『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

4.2021年 宙組『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』

スペクタキュラー・シリーズのモットーは、“少し新しく どこか懐かしく かなり感動する”としていますが、今回は音楽のアレンジや捉え方を“少し新しく”しようと試みました。プロローグで歌う、宝塚歌劇ではお馴染みのシャンソンのメドレーは、私が歌詞を新たに書き直し、音楽のアレンジも現代的にしました。また、フィナーレではシャンソンの名曲をヒップホップ調にするなど、意外性を感じていただけるのではないでしょうか。宙組創立以来、本格的なシャンソン・レヴューは初めてなので、出演者やお客様にとっての新鮮な出合いになればと思っています。

一部引用:タカラヅカ・スペクタキュラー『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』の見どころ<前編>

今までのインタビューを見ていただくと彼がいかに、「少し新しく どこか懐かしく かなり感動する」という点にどれだけ重きを置いているかわかると思います。

 

しかしながら、私から見ると彼のショーは他の先生のショーと比較すると俗っぽいと感じてしまいます。

新しいというよりも俗っぽい。

 

これが好きな方にとっては野口先生のショーシリーズは堪らなく魅力的なのだと思います。

 

しかし私は時々こう思ってしまうのです。

「私はこういうショーを見たくて宝塚歌劇団の舞台を観劇している訳ではないんだよな」って。

野口先生の「カッコイイ」と私の「格好良い」

私が宝塚に求めるもの。それは「格好良さ」です。

私は宝塚に俗っぽいカッコよさを求めている訳ではなく、洗練された美しさを伴う格好よさを男役に求めています。

野口先生はどうも男役に「ジャニーズ的な・アイドル的なカッコよさ」を見出しているのではないかなと彼のショーを見るたびに感じるのです。

現時点ではお世辞にも彼のショーに対して”洗練された品のあるショー”という言葉を送ることはできません。

ファン層の新規開拓という意味で「ジャニーズ的なカッコよさ・派手さ」を打ち出して行こうとしているのであれば、それは軽率だと思うし、少なくとも私はそんなことを求めていない。

100年間宝塚が続いた理由を考えればその答えは自ずとわかるはずです。

100年の間でアイドル全盛期と言われていた時代でも宝塚が生き残ってきた理由を考えてみて欲しいと思います。

宝塚への愛はどこへ

野口先生は「宝塚の古き良き伝統を愛している」

と公言されているけれど、私にはそうは見えない。

寧ろ今回の宙組のショーを一部見た限りではこんな風に感じた。

「彼は本当に宝塚を愛しているのだろうか?」

シンプルに言ってしまうと

彼のショーから宝塚への愛を感じられないんです。

星組作品では前面に感じられた古典的な宝塚への敬愛、それを継承して行こうとする姿勢みたいなものが、星組公演から現在の花組公演にかけて徐々に徐々に薄れていくように感じるのは気のせいだろうか?

宝塚らしい品の良さを求む

野口先生はまだお若いし、デビューしてまだ3年しかたっていないので、今は「あれにも挑戦してみたい!これにも挑戦してみたい!」と色々思うところがあるのだと思っています。

それ故に「宝塚らしさ」を忘れてしまうようなショーになっているのでしょう。(真意はわかりませんけどね笑)

スペクタキュラーシリーズはそろそろやり尽くした感があるので、別のシリーズも見てみたいなぁ。

でわ〜

takarazuka takarazuka

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