おはようございます。
む~です。
頭の中で紅さんが「かもめよ~」と歌っています。
私もハンブルク行きたい、博打的な人生を送ってみたいなぁちょっと思ってしまいます。
今日はそんなことを観劇から2日経っても思わせてくれるカール・シュナイダーを演じていた紅ゆずるさんについて書いてみました。
アッキーとセイコちゃんについて書こうと思ったのですがもう少し気持ちを整理してから書きたいのでもうちょっとお待ちくださいね。
それではどうぞご覧ください。
*この公演の全体感想は下記リンク先にまとめてあります。
紅ゆずるに黙らせられた3時間~星組「霧深きエルベのほとり」「エストレージャス」全体感想~ - ZuccaZucca
笑うしかない人生
紅さん演じるカールを見ていて気になるのが「笑い」。
必要以上におどけて見せたり、マルギットをおちょくったり。
まるで小学生男子のような振る舞いが彼の年齢に不相応すぎて最初は戸惑う。
しかしそんな彼に対するイメージもかなり早い段階で払拭される。
もし紅さんから滲み出る「哀愁」が無ければカールの本質は分からずに終わっていたかもしれない。
カールという男は小学生男子のような馬鹿な男だという話で終わっていたかもしれない。
でも紅さんはカールをただの調子のいい水夫の兄ちゃんだけでは終わらせなかった。
登場したその時から調子のいい兄ちゃん的な振る舞いはしていたものの、彼が時折みせる「陸(安定した幸せな暮らし)」への羨望の眼差しや港を離れるたびに多くのものを失ってきた水夫ならではなの切なさが観客の心にしっかりと焼きつく。
これを上手く、いい塩梅で紅さんがブレンドしたからこそカールの「笑うしかない人生」観にも納得がいく。
人肌への寂しさや陸への憧れ、そして憧れと現在の自分との埋めきれないギャップ。
彼は自分の中の負の感情や思い出から目を背けるためにどうしても笑うしかなかったのだ。
不必要だと思われようと笑うしかない。
ただ笑っていたい。
後先考えずに今を楽しみたい。
寂しくなんか無い俺は。
紅さんが笑いを取りに行くたびにそのキュートさに観客も思わずわらってしまうのだけど、笑ったあと必ず寂しくなるこの笑い。
今まで紅さんが披露してきた「完全にウケを狙いにいく笑い」はこの舞台のなかでは「切なさを倍増させる笑い」へと変化している。
おそらく彼女の間の取り方、笑いの取りにいく姿勢がこの作品にあわせて変化したのだろうけど単純に凄いなぁとおもってしまった。
「情けない男の人生」ではなく「笑うしかない男の人生」へと舵をきった紅さんの操舵に上手く感情をのせられました。
この紅ゆずるさんにしか出来ない作品だったと強く思います。
正統派・紅ゆずるの強み
紅ゆずるさん。
彼女に対してずっと「アクの強さ」を感じてきた私が彼女を「正統派」と称する日が来るとは思いませんでした笑
勿論今でもアクの強さは感じます。
サンダーボルトファンタジーの台詞回し(スカステでちょこっと見ただけですが)もすっごく癖があるし、ビジュアルも二枚目だけれど役的に正統派というよりは個性的な役のほうが多かったり。台詞回し以外の仕草などでもかなり癖があるなと感じたり。
個性の塊のようなジェンヌさんだと思っていたのですが、霧深きエルベやエストレ、うたかたの恋の紅さんはTHE・正統派としての魅力を発揮されていたと思うのです。
正統派よりも個性的な役のほうがお似合いになると思っていただけにこれは意外な発見でした。
正統派と個性派。
真逆なのにその両方を使い分ける紅さん。
私が紅さんを正統派だと感じるのは主にビジュアル。
個性的な役柄を演じてきた彼女ですが、THE・正統派二枚目を演じると「宝塚の男役」として超正統派だということに今更気づきました。
凄く不思議なジェンヌさんですね。。。
残りの宝塚人生も紅色に染め上げてください!
退団されるその日までまだまだ時間はありますが、残りの宝塚人生も周りをどんどん巻き込んで紅色に染め上げてくれることを楽しみにしています^^
でわ~
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