宙組

宙組 「FLYING SAPA」 が炙り出す”日常の異常”



おはようございます。
むーです。

 

昨日観劇したフライングサパを観劇してきました。

観劇中、涙が出てしまうほど面白かったです。

考えさせられることが色々とあり、どんどん自分の考えを深めたい項目が出てきて脳がパンクして涙を流すしかなかった。というのが正しいところかもしれません。

 

人は興味深い作品に対面すると興奮して涙が出る(私だけ?)のだとこの作品を通して知りました。

 

今日は自分自身の考えをまとめるためにブログを書きます。

ネタバレ含むのでまだご覧になっていない方はご注意ください。

 

日生劇場×宙組「フライングサパ」

これはinstagramにも投稿したのですが、日生劇場×「フライングサパ 」がとてもいい!!

今回、日生劇場に初めてお邪魔してまず驚いたのはホールの美しさ!!

 

初めて訪れる劇場に足を踏み入れて必ず確認するのが音響さんとスピーカーの位置なのですが、今回はそれらを確認をする暇もないくらいホールを見つめていた。

 

  • 海底洞窟のような、月の表面のような壁
  • 青く塗られた天井
  • 天井に貼られた
  • 海洋生物の細やかな歯を思い出させる舞台上部のデザイン
  • そして海底に降り注ぐ光をイメージしたかのような無数の光の穴
  • ピンク色の肉厚な舌を思わせる客席

 

こんなに美しい劇場は見たことがない。

 

私は鯨の口の中を覗いたことはないけれど、きっとこんな感じなのだろうと束の間の空想を楽しんだ。

そして鯨の口の中で夢を見るように舞台を楽しめるこの現実に感謝していた。

 

 

この幻想的かつ生命の息遣いを感じる空間とフライングサパの作風はまさにぴったり。

虚構と現実が入り混じったようなフライングサパ をこの秘密めいた洞穴で見られるのはムード的に言えば100点満点だったと思う。

 

コロナウィルス×フライングサパ

コロナウィルスで上演が約半年上演が遅れたフライングサパ 。

パンフレットに掲載されていた上田先生のお言葉を引用させていただくなら「私たちの『FLYING SAPA』はもうあの時のものとは違う」

おそらく上田久美子先生が私たち観客に与えたかった印象とはまた別のものを私は受け取ってしまったのだと思う。

 

しかし、私はこの時期にこの作品を見れたことがよかったのではないかとさえ思っている。

 

フライングサパという作品が放つ「孤独」「人間的温もりの欠如」「集団統制」「不安な未来」

これらはコロナ禍中にいる私たちに共通する部分がある。

 

コロナウィルスによって日常生活を大きく変容させられている私たちは彼女たちがぶつかる抱えている問題に共感し、得られるものがたくさんあると感じた。

 

上田久美子が浮き彫りにした”日常の異常”

上田久美子先生は日常の中の異常を表現することに長けていると今回感じた。

しかもその”異常”は私たち一度は疑問を抱いた事象だ。

 

例えば今回であれば「個人情報の収集」

近年、スマホやマイナンバーを通したあらゆる場面で私たちの情報は収集されている。

これに対して恐怖や違和感を覚えたことはないだろうか?私は時々思い出して怖くなる時がある。

まるで考えてはいけないことを考えてしまったような後味の悪い気持ちになる。

 

今作品ではこの「情報収集に対する恐怖や違和感」をベースに日本人特有の「均質化」についても問題提起している。

均質化については現宝塚歌劇団に対するアンチテーゼのようにも捉えられた。これに関しては長くなりそうなのでまた別記事で語りたい)

 

惑星・ポルンカでは政府管理下のもと、個人情報はもちろん自分たちの過去も夢も密やかな想いも全てが「へその緒」を通じて「ミンナ」というデータベースに収集される。

 

この設定を聞いて最初はぶっ飛んでいると思ったし「そんな政府嫌だし気持ち悪い!」とも思ったけど、数秒後には自分の身の回りで起こっていることを(言い方は悪いけど)大袈裟に舞台で表現しただけに過ぎないという事実に気づいて絶望していた。

 

上田久美子先生の舞台はファンタジーではあったけど、どこまでもリアルの話だった。

それに気づいた時から私はサパの人々と同じくらい当事者意識を持ってこの作品の一部になっていた。

今後私が考えるべきこと

とりあえず観劇直後に私がメモしておいたことをそのままここに保存しておく。

 

  • オリジナルとは何か?
  • 個体を識別するものは意識・思考以外に何があるか?
  • なぜ上田久美子はあの結末(人類が2手に分かれる)を用意したのか?過ちは繰り返されるのではないか?
  • 『みんな』という言葉がもつ力(制圧)と全人類の意識データ保管場所である「ミンナ」について
  • キキ精神科医の役割(なぜノアはポルンカにきたのか?なぜ精神科医になったのか?)
  • 素数と偶数を使うのか(素数と偶数の差別化)
  • 何故お父さんは自分にミンナをダウンロードしなかったのか?(ミレナが抵抗すると分かっていてもなぜ自分にダウンロードしなかったのか?)
  • イエレナの強迫観念はなぜあそこまで強いのか
  • ズーピンが心変わりの理由
  • 上田久美子インタビューを再度読み込む
  • 「モンスターの眠り」を読む

明日はキャスト別感想!

長い上に実のない記事で申し訳なかった。

感想をいろいろ書きたかったけれど、時間内に言葉を紡ぎ出せなかった・・。

明日はキャスト別感想、その後の感想は主にnoteにあげていきます。

 

あ、今回のMVPは留依蒔世くん!!!

新しい一面を見せてもらって驚かされたのは夢白あやちゃんでした!!

 

それでは〜

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